摂取できる食物の量が増えて来てパウチに溜まる排泄物の
量が増えた。一体何時こんなに食べたのだろうって思う程
溜まることもしばしば。。。
昼間はほとんど横になることはなくなってたから排泄物は
常にパウチの下側に溜まる、、、出て来た物がフランジの
後ろ側に回って漏れることは無くなったけれど、、、
夜、寝てる時は油断するとすぐに漏れた。その度、その度
に起きてシャワー室へ行くのはしんどかった。
部屋は術後からずっと準個室。お金はかかったけど、深夜
バタバタしてに回りの人に迷惑をかけずに済んだ。両親や
妹夫婦には経済的な援助をかなりしてもらっていて申し訳
なく思ったけど、24時間、夜中だろうと食事中だろうと
ストマのケアはしなくてはならない訳で、、、周囲に気を
使わずにいろいろできた。
車で言えば排気系、、、このマフラーの漏れを解決しない限り
スキーどころじゃなくて社会生活もできない!
考えた、、、方法は2つ。
1つは、、、
食べるから漏れちゃうんだ。。。生きて行くのに最低限の
物しか食べなければ排泄物の処理は少なくなるし、寝てる
間に漏れることもなくなる。。。
でもそれじゃ~、スキー界に復帰するのは無理。不足して
いる栄養をしっかり摂取して体重を増やし、同時に失った
運動能力を元の状態に戻せない。
食物の摂取を抑えた消極的な方法は駄目だなぁ~。
同じようなサイボーグになった人達が痩せ衰えたり、行動
が消極的になって出不精になる気持ちが分かるような気が
した。
しっかり食べて、しっかりトレーニングして、元のマッチョ
な身体に戻りたい。
もう1つは、、、
横になるから漏れる、、、寝ている間に漏れない工夫をしよう!
そうだ夜も2時間寝たら起きる。また2時間寝たら起きる。
2時間毎にチェック作業をすれば解決しそう。きっと眠いと
思うけど、そしたら夜勤の看護師さん達にも迷惑をかけなくて
済む。。。
↓メーカーのカタログも細部まで勉強した。

パウチは看護師さんの勧めもあって、術後から使っていた
1ピースタイプの物から2ピースタイプの物に換えていた。
この頃には市から公費負担の認定を受けていたので好きな
装具が自由に購入できるようになっていた。
いろいろ試してみたい装具を注文しては自分の身体に合うか
どうかを試行錯誤していた。。。
↓向かって右側が2ピースタイプのパウチ。

装着する時に自分のストマを見ながら穴に合わせて最適な位置
にフランジを貼れるので2ピースタイプの方が都合が良かった
し、排出口がマジックテープなのでかさばらずに済んだ。
↓
上、、、表側から見たフランジ。丸い外周同士がパチンとハマる仕組み。
下、、、ワンピースタイプはパウチが邪魔して貼る時にストマと穴を合わせ難い。


↓
上、、、裏側から見たフランジ。密着しながら皮膚の保護をする。
下、、、ワンピースタイプはフランジとパウチが一体になってる。


褥瘡の痛みがまだ酷くて横向きでしか寝れない毎日。
只でさえ熟睡できないのに、2時間毎に起きるのはかなり
のストレス。
パウチに溜まる排泄物にはガスも含まれる。ちょっと油断
するとパウチは500mlのペットボトル以上に膨らんだ。
不用意に寝返りを打つと即パンク!!
ウトウトしながらも片手でいつもパウチの様子を探ること
を覚えた。夢の中に居ても常に脳の一部分がパウチの変化
を察するようになって来た。
また考えた、、、
災害に見舞われたり、何かの事故で真っ暗闇の中に数日間
閉じ込められたらどうなるんだろう。。。
そんなことになったら健常者だって自分のことで精一杯。
誰も助けてはくれないんだっ!
パウチを取り換える日は深夜、病室を真っ暗にして練習した。
脱着はもちろん、洗浄や後始末まで全て手探り。
鏡を見れないから最初は自分で自分のストマの位置すら分からん。
何度も何度も暗闇の中で練習を繰り返した。
疑問が湧くと様々なことを看護師さんに聞くようになった。
でも、返って来るのは本に書いてあるようなことばかり、、、
サイボーグには個体差がある。自分流のやり方を見つければ
良いんだと考えるようになった。
それ以来、ストマのケアに関しては一切を自分で行い、夜中に
何かあっても絶対に看護師さんを呼ばない自分が居た。
オンボロ、ポンコツだったサイボーグの1つ1つのパーツは
少しずつ磨き上げられて徐々に進化の道を歩き始めました。
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