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カテゴリー:術後の治療

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褥瘡(ジョクソウ)


膝から下が妙に浮腫んでいた。皮膚はガサガサで生気がなかった。
車イスに座っている時間もあったけど貧血との我慢較べ状態、、、
力尽きてすぐベッドに寝るしかなかった。



看護師さん達がしつこく入って来て、向きを換えろだの寝返りを
打てだのとうるさかった。ただただ静かに寝ていたいのにとにかく
うるさかった。



ある日の昼前に看護師さんが、、、


看護師さん、、、「ちょっと失礼、お尻見せてね」

ってパンツを下げられた。

看護師さん、、、「あ~、、、やっぱりぃ~」


一体何事が起こってるのか知るよしもなかった。



午後になってすぐに皮膚科の先生が病室に往診に来た。
みんなが恐れていたことが起こってしまったらしい。。。


床ズレ、、、褥瘡(ジョクソウ)がお尻にできていた!
お尻の割れ目のあたりに、手の平を目イッパイ広げた位の大きさ
の床ズレが、、、

踵や肘にも少しできていたけど、お尻のは全く感覚がなくて、、、
痛くも痒くもない。自分で見えないから何のことなのかも理解でき
なかった。



この日を境に上向きで寝るのを禁止された。ベッドのマットは特別
なヤツに換えられ、上向きで寝ていると怒られた。脇腹から出ている
パイプやストマのパウチが気になるし、筋力がないから横向きで寝る
のはとてもしんどい。お尻の皮膚が腐って死んでる訳だから痛くない
、、、気がつくと上向きになっていて叱られた。


皮膚科部長の偉い先生が病室にやって来て死んでる皮膚をパチパチと
鋏で切り取る治療が始まった。生きてる部分と死んでる部分の境目を
切って行くので悲鳴を上げる程痛い。


私、、、「今日も痛いことするの?」


先生、、、「ちょっとだけね」


私、、、「ギャー、、、」



新しく露出した筋膜を看護師さんが毎日洗いに来る。石鹸で
ゴシゴシ洗い流して薬を塗って行く。。。ベッドの柵にしがみ
ついてただただ歯を食いしばってるより他に方法はなかった。




褥瘡(ジョクソウ)についてはココをクリックすると詳しいことが
分かります。




死に物狂いで食べても全部お腹の傷に養分を摂られてしまってるのに
とんでもない“厄介者”を背負い込んでしまった。


さらに術後合併症、、、


DIC
播種性血管内凝固症候群(はしゅせい けっかんない ぎょうこ しょうこうぐん)

SSI
手術部位感染



を起こしていた。お腹とお尻の傷はとにかく食べる。重力に逆らう。
これが最も良い薬なんどそうだけど、、、無理だよなぁ~!?


カッシー、、、「腹の傷より尻の傷!」

皮膚科部長さん、、、「コレ、完治は半年かかるよ」

看護師さん達、、、「ハイ、お尻洗いますねぇ~」




身体中悪いとこだらけでもうメチャクチャだった。
壊死した皮膚を切られてからは痛くて痛くてとても車イスには座れな
かった。立ってるか横向きで寝てるしか痛みから逃れる方法がなかった。


高カロリーの輸液はもうしてなかったけど、抗生剤やら微量栄養素の
点滴を24時間フルにしていた。12月に入院してから点滴しっぱなし
、、、針を入れる場所がなくなって、とうとう上腕部に射すまでになっ
てしまった。




初めて自分の足で歩いて病室を出た。嫌々だったけど看護師さんに連れ
られて歩く練習が始まった。まだ病室内で伝い歩きしかできなかった
から怖かったし、立ち上がるのが精一杯なんだから無理だと思った。

点滴棒に捕まって10歩位歩いて案の定、膝が抜けた。。。後ろにひっ
くり返って後頭部をしたたか打った。初めての自力歩行はこんな感じで
失敗。丁度ナースステーションの前だったのでみんな一斉に飛んで来た。
頭を少し切ったかも知れない。痛かったのもあるけど歩けない自分が
情けなくてその場でうずくまって泣いた。涙がボロボロ出た。



横山さんって男性の看護師さんがいたんだけど、、、体格が良くて力持ち
、、、病院着の首辺りをヒョイって摑まれてベッドに逆戻り。。。

自分も元気な時は横山さんと同じような体格だったのに、、、痩せこけた
身体はあまりにも情けなかった。


↓廊下の奥の病室から出てちょうどこの辺で転んだ。
ここで転んだ


先日定期健診に行った時に撮った写真。向かって一番右は看護係長さん。
一番手前はいつも優しくしてくれた村上さんです。



その日から自力で歩く訓練が始まった。5分位かけてベッドから立ち
上がり、点滴棒に摑まってナースステーションの前まで行って帰って
来る。往復で20m程だけど疲れた。足は絡まるし、膝は抜けそうに
なる。。。自分で自分がどう歩いてるのか分からない。こりゃそうとう
時間がかかると思った。半ば諦め、、、他にやることないし、病室で
寝てるとうるさく言われるからやってたのかも知れない。


頑張ろうとか、早く退院しようとか、社会復帰するんだなんて気持ち
は全くなかった。
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Security
cyborg 005
2023シーズン、まだ生きてる

☆彡全日本スキー連盟公認
  指導員、A級検定員
☆彡日本スポーツ協会公認
  スキー上級教師
  スキー・スノーボードコーチ2

06、12月に劇症型の潰瘍性
大腸炎(UC)
で大腸全摘手術を
受け、オストメイトとなる。

31年間勤務したスキー学校を
退職し現在フリーで活動中。

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