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コカコーラ


今、こうしてこんな日記をのんきに綴っていられるのは病室の
窓が開かなかったからかも知れない、、、


最近定期健診に行った時に撮ったC棟の窓。 ○の部分がかろう
じてわずかに開くだけだった。
C棟の窓




↓お隣のB棟の病室にはベランダまであるのに、、、。
B棟のベランダ






、、、死ぬのも諦めた、、、





食事は相変わらず胃に落ちて行かない、、、1回の量は赤ちゃん
の離乳食程度の量、、、目は食べたいけど食べられなかった。
日に5~6回チャレンジしたけど、毎回貧血で食べることより
重力に逆らって身体を起こしてるので精一杯。


いつもスキーのレッスンの時に簡単に使っていた 「重力」 って
言葉、、、こいつのいまいましさを嫌って言うほど思い知った。


相原さんが言ってた高カロリーの栄養飲料は不味くてとても飲めた
モノではなかった。ココア、ストロベリー、バナナ、いろんな味の
ポタージュスープみたいな奴、、、350ミリリットルを飲み切る
にはそうとうの覚悟が必要だった。大体これを飲むと胃から逆流し
てしまって辛いし、他の物が食べられない。相原さんが怖くて、、、
こっそりロッカーの中に隠しておいて妹に捨ててもらうか、持って
帰ってもらってた。




脇腹のパイプは相変わらず2~3日おきに位置を換える。金属やガラス
が擦れ合う音、尖った物や鋭利な物がとても嫌になった。わずか30分
程度の処置だけど、とっても体力を消耗した。朝一番でこれをされると
夕方までグッタリしてしまう。

回診は偉い先生から若手の先生までぞろぞろと10人位が病室にやって
来る。お腹のガーゼを取るのがとても痛い。生理食塩水で洗われた後
吸引機で吸われるのがまたまた痛い。濡らしたバラガーゼを傷に詰めて
からその上に乾いたガーゼを張って終わるまで、全員が私の身体を隅か
ら隅まで観察して行く。。。やり切れなかった。

財前教授の総回診みたいな雰囲気じゃなくて、、、若い先生が偉い先生
に自分の意見を自由に言えるような気さくな雰囲気だった。どの先生も
いつも「頑張れっ!!」って声をかけてくれた。そこだけ少し救われた
けれど、、、相変わらず生きて行く気力はなかった。




「頑張れっ!!」て言われても何を頑張るんだよぉ~?




脇腹に麻酔の注射を打つだけでもヨーチンみたいな真っ赤な液体で
仰々しく消毒するのに、パックリと口を開いた手術の傷は洗うだけで
薬は一切つけない、、、不思議だったけど、、、浸出液が出てる部分
はそれで良いらしい。何だか不安だったけど、、、どうなってもイイ
やって気分だったからあえて聞きもしなかった。


A棟の地下にあるレントゲン室まで2~3日おきに車イスを看護師
さんに押してもらって行っていた。レントゲンは2枚撮る。1枚は
立ったまま撮るんだけど、、、息を吸って静止してるのができなか
った。手すりに捉まってグラグラしてるのは1分位できても、ピタ
ッと静止する筋力は全くなくて、、、その度に転んでいた。こんな
状態から元の身体になんて戻る訳ないって絶望感だけ!背中に背負
ってる鎮痛剤のボトルを割ったり、点滴のチューブや脇腹から出て
るチューブが抜けてしまったり、、、自分では全く何もできない。



重量って奴はホントにホントにいまいましい。。。



レントゲンの台に横になるのに2~3分はかかる。側にいてくれる
看護師さんや技師さんにいつも迷惑かけてた。





C棟4F~A棟地下までは片道100m位、、、↓番号の書いて
ある場所で車イスのまま待ってると時々貧血で気を失いそうになった。
レントゲン室前






先日、定期健診に行った時に執刀した鈴木先生(滅多に笑わない)
や担当の柏原先生(陽気で几帳面)に会うことができた。左が鈴木
先生。右がカッシー。真ん中はお名前は存知上げないけれど、、、
もっともっと偉い先生。廊下の突き当たり左側が私の居た3415
室です。
鈴木先生&カッシー





今でも懐かしくて時々C4へ行く。ここ7~8年では珍しく大きな
手術だったのでみんな私のことを覚えていてくれる。40kg程度
しかなかった入院当時を思い出してみんな身体に触って来る。この
2人にもお世話になった。いつも明るくてニコニコ笑って私を元気
づけてくれていた。この笑顔に随分救われた気がする。今更ながら
この人達の仕事は凄いと思う。
笑顔に助けられた





ある日、看護師さんに買い物を頼んだら血相変えて飛んで来た。
大変、大変~って感じで、、、

「不二家のネクター、売店も自販機も今日から撤去だってよっ!」

一大事だった。唯一美味しくて、すんなり胃に入って行くのに、、、




妹が売店で買えるいろんな飲み物を片っぱしから買って来た。

「お兄ちゃん、炭酸飲んだら胃が広がって食べ物が入るかもねぇ!?」



バカ言ってんじゃないよっ、、、お腹の手術した人が炭酸なんか
飲んで良い訳ねぇだろうが!!


妹があんまり言うんでやってみたら、、、これが効いた!!
特にコカコーラが効いた!!米飯がすんなり入って行く。ご飯の最中
にチビリチビリと飲むとお茶碗の1/3程度は食べられる。


1回にオチョコ1杯分位だけど、炭酸の適当な刺激で胃が動く!
ゲップが出るから逆流しないし、喉元のつかえた感じも取れる。


この頃の食事は一般食だったのでかなりの量。感染症の問題で生物
(野菜は全て温野菜。お寿司は禁止)以外は何でも出ていた。
ご飯は小さなおひつに入って出て来るし、まるで定食屋さんの何とか
定食って感じだった。カツ丼とかカレーライス、ハヤシライス、天婦羅
蕎麦まで出て来てた。。。



とにかく高カロリー、、、普通の人が毎食こんなの食べてたら確実に
糖尿病になっちゃう位高カロリーでした。コレステロールを直接点滴
してる位だから、、、極度の栄養失調って訳なんですが、、、知らな
い人が見たら驚く食事の内容だったかも知れない!!

離れていて病状を知らない母親は私が糖尿病になるんじゃないかと心配
していた。



大体、何でお陀仏病棟の病人にこんな食事出すんだよぉ。今考えると
笑えます。。。



コカコーラのお陰で10%も食べられなかったのが30%程度まで
食べられるようになって来た。数日後、相原さんが病室に来てくれて
、、、

相原さん、、、「急にどうしたの?随分食べられるようになったわね!!」

私、、、「・・・」

相原さん、、、「栄養飲料は必ず飲むのよっ!!」



コカコーラの缶はヤバイからいつも隠していた。ロッカーの中に山積に
なってる栄養飲料が見つからないかと気が気ではなかった。。。
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cyborg 005
2023シーズン、まだ生きてる

☆彡全日本スキー連盟公認
  指導員、A級検定員
☆彡日本スポーツ協会公認
  スキー上級教師
  スキー・スノーボードコーチ2

06、12月に劇症型の潰瘍性
大腸炎(UC)
で大腸全摘手術を
受け、オストメイトとなる。

31年間勤務したスキー学校を
退職し現在フリーで活動中。

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