この頃から点滴はなくなり、身体から出ている物と言えば
ストマと右側のお腹から出た残りのチューブが1本だけ。
相変わらず30m程の距離を毎日数回歩く練習をしていた。
ある朝看護師さんが病室にやって来て言った、、、
看護師さん、、、
「今日からA棟のレントゲン室まで1人で行ってね!」
私、、、
「転んだら怖いし、何かあったらどうすんの!?」
看護師さん、、、
「ここは大学病院だからすぐ助けが来るわよ」
私、、、
「、、、」
と言う訳で↓の往復100m以上の距離を1人でレントゲン
室に行くことになった。貧血で目が見えなくなることや転倒
の不安で、、、大変な宿題だと思った。
↓レントゲン室はC棟から一番遠い場所にあった。

画像上部の
赤丸が私の病室、下部の
赤丸がレントゲン室、
青線は旅に出されて歩いたルート。
ナースステーションのみんなに見送られて旅に出た。。。
。。。みんな一様にニヤニヤしている。なんでだよ~!?
↓いつも歩行訓練してるB棟のエレベーターまで行く。

エレベーターの中で立ってるだけで貧血を起こした。
4階から2階に降りるだけなのにすごく長い時間に
感じる。
もうダメだった、、、貧血で視界が狭くなり、やがて
目の前が真っ白にホワイトアウト。。。
母子センターの前にイスがあったのを思い出して座る。
↓エレベーターを降りると都合の良いことにイスがあった。

いつもは車イスを看護師さんに押してもらってレントゲン
を撮りに行っていたから気がつかなかったけど、、、
B棟とA棟の間には車道があり、その上にこんな長い渡り
廊下がある。
途中で休む場所がなく、私にとっては最大の難関!!
母子センターの前のイスで15分程休んでからでないと渡
れない!
↓渡り廊下は外から見るとこんな感じ。

↓この渡り廊下は歩くと揺れて怖かった。

↓渡り廊下の先には売店があって人混みが怖かった。

最大の難関をフラフラ、ヨロヨロと越えてもその先は
売店やら外来やらで人がごった返してる。。。気が遠
くなりそうな距離だった。脚がもつれて真っ直ぐに歩
けない。必死の思いで外来のイスにうずくまる。
↓外来のイスでも15分程休んだ。

外来からさらに進んでエレベーターに乗りA棟のB1へ降りる
とやっとレントゲン室に辿り着く、、、健常な人ならわずか数分
で行ける距離なのに、この頃の私にとっては大変な距離だった。
↓レントゲン室。

↓透視室。

朝の8時過ぎに病室を出て再び戻って来るとすでに
10時を過ぎてる。。。
レントゲン室での撮影は15分程度だから、、、往復
で1時間半は費やした。
やっとの思いでC棟のナースステーションに辿り着くと
看護師さんたちは待っていたように微笑んでくれた。
この日からレントゲンや透視、皮膚科の治療には1人で
旅に出された。病院のあちこちにあるイスの場所を必死
に覚えた。
貧血は体の自由と視界を奪い、人混み、、、特に小さな
子供の頭と女性のハンドバッグはストマを直撃するので
怖かった。
毎日曜日の朝はナースステーションで体重測定があり、
この頃始めて体重を計った。健常な時には80Kg近く
あった体重は、、、
48Kg!!
痩せ細り、骨と皮ばかりの身体。
薬のせいだろうか、、、髪の毛が抜けて白髪だらけ。
自分の身体を見るのが嫌だった。
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