すさんだ気持ちで自暴自棄になっていた。
人に甘えていた。先生や看護師さん、毎日身の回りの世話を
してくれる助手さん。お見舞いに来る親しい友人やスキーの
生徒さん、取引先の会社の方々、、、全ての人に甘えていた。
人に甘えて、その願いが叶うことで自分の存在を確かめてた
のかも知れない。私の為に病室に通ってくれた方々はとても
迷惑だったに違いない!
ある日、とても親しかったスキー関係の方に決定的なことを
言われた、、、
「人工肛門になったくらいでいちいち落ち込まないでよ」
、、、さらに
「世の中にはもっと厳しい障害を背負って立派に生きてる人
だっているのよ」
、、、人工肛門くらいで、、、
、、、厳しい言葉だった。いつか誰かに言われるんじゃ
ないかとビクビクしてたけど、とうとう来たか。。。
障害の程度が問題ではなくて、このいまいましいお腹の
ストマやら装具と一生付き合って行かなければならない
嫌悪感がたまらなく重くのしかかってるのに、、、
頭で考えるのは辞めにした。こんな時に理性で自分を制御
するのは難しかった。人間って難しい生き物です。
メソメソしてる内に夜が明けて、いつも日課になってる
早朝の富士山を病室の窓から見た。晴れ渡った空にくっきり
そびえてて、、、気分が清々しくなったのを覚えてる。
俺、スキーでしか生きられないし、、、そうだっ!!
身体障害者だから健常者にスキー教えちゃなんないって
決まりはない!!
普通は健常者が身障者の面倒見ることが多いのかも知れないけど、
身障者が健常者の面倒見たっていいじゃん。。。
それ、面白れぇ~じゃんっ!!
「人工肛門くらいで、、、」
“じんこうこうもんくらいで”と叱ってくれた方の前でもう一度颯爽
と滑って見せてやろうと思った。
下種な考えだけど、負けん気の強い自分がムクムク頭をもたげて来た。
水準の低い動機だけど、「ちくしょう、とことんやってやる」
心の中は唯それだけだった。。。
朝ご飯もそこそこに病室のロッカーの奥を探した。以前ストマの
メーカーの人を追い返した時に、置いていってもらったカタログ類
がたくさんあった。検温に来た看護師さんが、、、
「あら~、今日は朝から元気なのね。顔色良いわよ」
って言って笑ってた。
午前中は回診の時間だったけど無視して売店まで行った。
ストマケアの本、、、ここは病院の売店だから街の本屋さんで探す
よりも専門的なのが無造作にたくさん売ってる。お財布の中にある
お金で買えるだけ買い漁った。
回診の時行方不明だったから、帰りにナースステーションの前を通った
時に看護主任さんにこっぴどく叱られた。。。
~参考までに~
↓
実際にストマはこうして装着されます。
手術後半年程経ってからの私です。この頃は心身共に
立ち直ってた。術創はまだ生々しい状態。縫合できなかった
ので仕方ない。。。。

絆創膏はなくてもOKですが、万が一の為に使っています。
画像のパウチは日常の生活時に使ってるモノで、スキーの時
や激しい運動時にはコンベックスタイプのモノを使います。
↓スキーの時は必ずベルトを使って外れるのを防いでる。

↓
装具の交換や日常のケアに最低限必要なキット類。災害時
のためにいつも一まとめにして持ち出せるようにしてます。

↓最近、盛岡駅で撮影。ありがたい設備です。

かくしてこの辺りから私の一人ぼっちのストマとの格闘が
始まりました。
PR