この頃は空前の“何でもかんでも“メガ”ブーム!!
病室で見るテレビでは、、、
メガマック、メガ牛丼、、、ガッツリ食べたいって人向けの
ファーストフードのCFが流行ってた。
お見舞いの友人、知人、生徒さん達からの御用聞きメールに
「できたらメガマック買って来てぇ~」なんて言うと、皆一斉
にメガマック買って来てくれるから病室のテーブルはハンバ
ーガーが山積みになった。
差し入れの“ウナギ”が冷蔵庫に入り切らない程の量になって
看護師さん達に笑われた。
世の中はメタボ、メタボと盛んに健康ブームで騒いでいた
けど、私は1日6食位食べてさらにその間に間食をしても、、、
ちょっと気を抜くとすぐに痩せる。
この頃の治療と言えば重力に逆らって動き回り、お腹を減ら
してひたすらモグモグ食べることしかなかった。
まだ塞がっていないお腹の3ヶ所の術創は栄養が回り始めて
急速に塞がり始めていた。毎日洗浄されて確か
ティエールとかって言う湿布薬のようなモノが貼られていた。汚い浸出液
を吸い出すとっても高価なモノらしい。。。貼ってから数時間
すると大量の浸出液を吸って重かった。
お尻の褥瘡(ジョクソウ)は栄養をお腹の傷に盗られて中々
治癒が遅かった。主治医のカッシーが言うには、、、
、、、この分だと褥瘡(ジョクソウ)が塞がるのは6月頃だ
なんて気の長いことを言われた記憶がある。
ある朝、朝食が終わったのを見計らったように看護師の相原
さんが病室にやって来た。
ヤッベェ~、、、俺、何か悪いことしただろうか!?
とにかく彼女は怖かった。小さくて浅黒くてサーファーみたい
な子!!多分、私の子供よりも若いと思う。
相原さん、、、
「最近、ご飯の量が足りないみたいねぇ~」
私、、、「えっ、ハッ、ハイ」
相原さん、、、「今日のお昼ご飯から大盛りにしておきますね」
私、、、「ハッ、ハイ」
日医大のご飯は病院のご飯にしては凄く美味しかった。
味もしっかりしていて献立の中から好きな物を選べた。
↓和食or洋食、魚系or肉系、、、いろいろ選べて結構美味しいです。

↓夕ご飯(これは2月半ば頃)、この日はちらし寿司。

今日のお昼って何を選んだっけなぁ~!?
大盛りってどの位でかいんだろうかってビクビクしながら
待ってると、看護師の相原さんがお盆を運んで来た!
そうだっ、今日は確かハヤシライスの日だ!!
で、で、でかい!!器も量も超でかかった!!
丁度居合わせた妹と2人で食べたけど、、、有に3人前はある。
こりゃ~、、、大盛りでもなくて特盛りでもなくてメガ盛りだ。
大汗かいて食べたけどやっぱ残してしまった。ど~しよう。。。
相原さん、ご飯残すと怖いしなぁ~。
せめてこの半分の量にしてもらえないか妹から頼んでもらった。
しばらくして相原さんが病室に来た。
相原さん、、、「あっらぁ~、、、やっぱり無理だったぁ!?」
私、、、「ハッ、ハイ」
体育会系の学生だってこりゃ~とても無理!!それに、、、
お陀仏病棟の患者にメガ盛りのハヤシライスが出て来るなんて
何か変だよ。
カートに乗って来るこの病棟の患者さんのご飯はほとんどが
流動食やチューブに入った宇宙食みたいなヤツ、、、
俺、消化器の病気なのに、、、自分でも笑うしかなかった。
それだけ元気になったてことかな。。。
今は3月の始め、、、もしかしたら今シーズン中にゲレンデに
出て滑れるんじゃないかと思い始めていた。
5月の連休までにはまだ時間がある。本格的に滑れないのは勿論
分かってるけど、、、ヨチヨチでも良いから雪の上に出て滑って
見たいって願望がムクムクと頭をもたげていた。
↓
休職中のスキー学校の様子を生徒さんが写真にして送ってくれた
アルバム、、、こんなの見てると無性に雪が恋しかった。。。

自分で退院のことを先生に切り出すのは何だか怖かったから
妹に頼んでみた。妹は待ってましたとばかりに主治医のカッシー
に相談に行ってくれた。
せめて“仮出所”でも良いと思った。娑婆の空気も思いっ切り
吸いたいし、、、
頭の中はすでにスキーのことしか考えられないサイボーグだった。
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